私は人生に躓いた時や何となく気分が上がらない時に名言を読みたくなります。
名言を見ていると、やる気が出たり自分を奮い立たせてくれるんですよね。
今回は稀代の読書家、出口治明さんがセレクトした、あらゆる偉人の名言集が書かれた本をご紹介します。
こんな人に読んでほしい
- 名言集を読んで心を動かされたい(感動したい)
- 毎日落ち込みがち
- 偉人の思考を知って人生をワクワク生きたい
- 教養をつけるメリットを知りたい
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
自分一人の経験だけで悩みを解決することはなかなか難しいもの。
過去の賢い人たちの残したもの、つまり「古典」で過去の知恵を学んでいくことにより、壁にぶつかったときにふと思い出して状況を打開するヒントにしていきましょう。
「人生の教養が身につく名言集」の作品情報
作者 | 出口治明 |
執筆年 | 2016年 |
読みやすさ | 読みやすい。たとえ話が豊富。 |
ページ数 | 276ページ |
電子書籍化 | 〇 |
Kindle Unlimited読み放題 | 〇 |
作者の解説
ライフネット生命代表取締役会長。稀代の読書家として知られていて、今まで読んだ本は1万冊以上。本書はその豊富な読書経験の中から名言をピックアップして、自身の経験を踏まえて解説したものになります。
教養を身につけるメリット
- 人生が豊かになる
- 苦境に立たされた時に折れにくい
- さまざまなチャンスが広がる
「人生の教養が身につく名言集」の内容
名言は目的別に6章に分かれています
1章 | 人生について考えが深まる名言集 |
2章 | 人間関係の心得を教えてくれる名言集 |
3章 | 読むだけで「考える力」がつく名言集 |
4章 | より賢く生きるための名言集 |
5章 | 「仕事の極意」を教えてくれる名言集 |
6章 | 「生きる知恵」を教えてくれる名言集 |
不幸を遠ざける「考え方」をする
「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」
ダンテ・アリギエーリ「神曲・地獄篇」
人生は「捉え方」次第で幸せになったり、不幸になったりします。
同じような不運と呼ばれる状況に置かれていても、
- 毎日充実した気持ちで暮らしている人
- わが身の不運を嘆きながら暮らす人
と二通りに別れます。
著者は、「捉え方(人生観)」次第で、人生はいかようにも変わると断言されています。
では、どうしたら「捉え方」を変えて、「毎日充実した気持ちで暮らしている人」になれるのでしょうか。
「捉え方」に影響を与えるのは生まれ持った「気質」や育てられた「環境」もありますが、最も大きな影響を与えるのが、「知識あるいは教養」だそうです。
著者の出口治明さんは、大学卒業後、日本生命保険相互会社に就職。同期の中でトントン拍子に出世街道を上っていました。
しかし、50歳のとき、社長と正面衝突して左遷。55歳になると日本生命の実質子会社であるビル管理会社に出向となったのです。
それでも出口さんは周りが不思議なほど、落ち込まなかったそう。理由は、古今東西の歴史書から左遷の話を山ほど読んできたからなのだとか。
「左遷される人が圧倒的多数」
「中国の漢詩では左遷の時期に書かれたものが多い」
「トップにまで登りつめられるのはごく一部の人間」
というのを、歴史から学び、当たり前だということを知っていたからだそうです。
歴史を知れば、世の中のリアルが見えてくる、だから「出世し続ける」という幻想と、現実の齟齬に苦しめられることがなくなったとのこと。
二者択一の連続。それが人生。
「過ぎてかえらぬ不幸を悔やむのは、さらに不幸を招く近道だ」
ウィリアム・シェイクスピア「オセロー」
など、過去をずっと悔やんでいる人がいます。
これを著者の出口さんは一刀両断!
過去にやってしまったこと、もしくはやらなかったことをいくら悔やんだところで、気が滅入るだけ。どれだけ後悔しても過去に戻ることはできません。
うじうじ悩んでいては貴重な「今」「この時」がどんどん消えていきます。
それどころか、「大切な人」もなくなるかも。
最初は愚痴を親身になって聞いてくれていた人も、言われ続けると「またか」と辟易するもの。
人間、何事も3年続ければ、そこそこの腕前になると言われています。「もう年だから、何もできない」と悩んでいては時間がもったいない。
「やりたかった」と後悔するのなら今すぐに始めましょう!
今のあなたが人生で一番若いのです。
今日が人生で一番若い日、なのですからね。
「言わなくてもわかる」は勘違い
「世の中のいざこざの因になるのは、奸策や悪意よりも、むしろ誤解や怠慢だね」
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ「若きウェテルの悩み」
人間関係がこじれる原因は、悪意というよりは、コミュニケーションを怠けてしまった場合に多いと言われています。
例:行事に呼ばれなかったAさんが怒って主催者側と敵対関係になってしまうケース
主催者「うっかり忘れていた」「店員オーバーだから、まっいっか」
↓
気付いたAさん「ないがしろにされた。許せん」
一方コミュニケーションをサボらなかったら……
主催者「今回、もう定員がいっぱいになってしまったかは、お前を呼べないけど、ごめんな」
Aさん「いいよ」
こうなるかも?
もちろん、こんなに簡単に収まることはないのかもしれませんが、誠心誠意謝ればこじれることは少ないと思います。
コミュニケーションを怠らなければ関係が悪くならないのかもしれないのに、これを人は怠けてしまう。
言いにくいから、言わないでおこう、ではなくて、むしろそんな時ほど言った方がいいのですね。
いざこざを回避する方法は、コミュニケーションをさぼらない・手を抜かない!
誤解を招かないように、きちんとした言葉で丁寧に説明する!
ゼロから勉強しない。巨人の肩を借りる
「巨人の肩に乗っているから、遠くを見ることができる」
「ベルナール・ド・シャトル」
人間が学ぶ方法として、人、本、旅の3つがあります。
学ぶことによって1つ、また1つと物事がわかっていく。そしてわかるだけ1つひとつ世界がシンプルに見えてくる。それが著者は楽しいと言われています。
そして本は、「なかなか会えない有名な人と直接会って話を聞く」ことが簡単に疑似体験できます。1000円程度で著者をひとり占めして考えを聞くのはとてもすごいことです。
本の中でも読書をするのなら、古典を読むのがいいそうです。
「新刊書」を読むよりも、まず古典を優先しましょう」といつも話しています。
読書をするなら、まず古典を用ことをお勧めしたい。
なぜなら、古典は何百年、何千年と、長い時間をかけて、しかも世界中で読み継がれてきたのだから。つまり、時間という縦軸、世界という横軸が幾重にもこうさした巨大なマーケットで評価され続けてきたロングセラーが古典なのです。
多くの人が「これを捨てるには惜しい」と残したものですから、「いいもの」に決まっています。そこに述べられていることは、人生の本質をついている。読めば読むほどに、今を生きる私たちにとって底知れぬ栄養源となってくれます。
本文より
現代を生きる私たちにとって古典を読む必要なんてあるの、と思ってしまいがちですが、あります。
古典でパソコンやインターネットについて学べることはないけれど、「生きる本質」を学ぶことができます。
現在の私たちは過去の巨人たちの偉業によって積み重なったもの。これを知ることによって、生きていく上での、失敗談や注意点が学べるんです。
本の選び方
- 新聞の「書評欄」を見る
- 古典を読む
新聞の「書評欄」を見る
新聞の「書評欄」が、新聞の中でもっともレベルが高くもっとも信頼できるページとのこと。
新聞の書評欄を書いているのは、大学の有名な先生方。そして新聞の書評欄を読んでいる人は読書好き。手を抜こうとすると「この人は、しょせんこの程度」と思われてしまいかねません。
そのため、「必死に選び、必死に書く」ので、「はずれ」がないのです。
古典を読む
古典を選ぶ基準としては、岩波文庫か、東洋文庫がオススメです。
「本のタイトル」がオススメの人!
・名言集を読んで心を動かされたい(感動したい)人
・偉人の思考を知って人生をワクワク生きたい人
・教養をつけるメリットを知りたい人
まとめ
本書には、多くの古典が登場し、著者の経験や知識を元に現代を生きる私たちと古典がどう関係しているのか説明されています。
数々の本を読んでこられた著者の言葉はとてもわかりやすく、穏やかな気持ちで読み進めることができました。同時に、今まで敬遠してきた古典というものに興味が沸いてきました。本書で紹介されていた本も読んでみたいと感じています。
それぞれの章につながりはないので、読みたい時に一つのテーマだけ、という使い方もできます。